【花札占いの世界】はじめの一歩 

花札占い? 
昔の映画で博打に使っているアレのこと?アレで占いなんてできるの?
そんな声が聞こえてきます。わかります!私もそう思いますもの。
花札占いについて、私、うめざわみきが解説します。
どうぞお付き合いください。

 

花札占いのルーツ

花札は、安土桃山時代に宣教師が日本に持ち込んだカルタの流れから作られました。遊びの道具がさらに進み、特に賭博で使われるツールとして発展したようです。

 

当時の物流環境から考えれば、今のように広い範囲での情報のやり取りはなかなか難しく、それゆえ花札は地方ごとに様々に進化し、それは逆に地方色豊かなその地方を表すものとして、文化的発展を遂げてきました。

 

さらに、賭博だけではなく、使用目的によっていろいろなスタイルの花札も考案されて使われてきました。この中に、どうも占いとして開発されたのではないか、と推察される地方札がいくつか見受けられます。

世界的に見ても、カード類は遊びや賭博の他に、占いとして使ってきた経緯があります。花札も同じように考えて良いと思うのです。そして、それは実際にあったとの伝承を聞いています。
花札は日本発のオラクルカードの元祖という側面を持っているのだと思います。

そして現在、若干のルーツを残しつつも、第二次世界大戦後に、花札占いはほぼ途絶えてしまっているのが現状です。花札自体を知らない人も増え、さらに花札占いは過去の遺産になりつつあります。

 

 

まだまだ研究中です

 

実は、花札占いに関するしっかりとした文献をまだ見たことがありません。あるのかないのかも不明です。民俗学などきちんと勉強すれば解かるのかもしれません。(もし知っている人がいるのであれば、どうか教えてください!)

 

ほんの僅かですが、伝承されている花札占いはきちんとされているようです。また、私の他にも花札占いを研究されている方がおられるようです。これを除いては、かろうじて残っている昔々のおじいちゃんから聞いた話を教えてくださった、これまたおじいちゃん世代の人から聞いた事を掘り起こして……という作業の上で甦らせているのが、私流の花札占いになります。

 

 

 

そしてこれは未だに研究中の占いツールです

 

百人一首などは貴族の生活を反映して発展してきた経緯があると思うのですが、花札は、日本の一般庶民の文化と、四季折々の情報が織り込まれている、情緒豊かな文化的ツールとして、日本人の心を反映していると言えるでしょう。

 

そのような訳で、上記のような道理を持つ花札を使っての占いは、人の生活に密着した札として、占いで使う事が出来るという事は充分ご理解いただけると思います。

 

 

 

具体的にはどんな占術?

 

一般的なオラクルカードと同じような使い方をします。
札一枚一枚に意味を持たせてありますので、たとえばタロットカードの様な、そんな使い方も出来ます。もちろん、いろいろなスプレッドも展開可能です。実際に行動する際の具体的提案も得意です。

オラクルカードのように1枚を見てその意味を掘り下げていくことにも適しています。それは札の構成から複数のポイントが出てきますので、ご相談に応じたポイントを掴んで観てゆく事で占うのです。

一番簡単な占い方法はおみくじのような使い方で、札の意味さえ知っていれば、誰にでもすぐに占う事が出来るでしょう。イベント時のちょっとしたパフォーマンスや、一芸を披露する時などには持ってこいだと思います。

そして、この札の性格上、日本の文化と庶民の暮らしに根付いているため、天使というよりお天道様、ハーブティーというよりほうじ茶のよう様な感覚で占うとより良いでしょう。 

 

札の構成

 

花札は12ヶ月の札から構成されています。1ヶ月の札がそれぞれ4枚ずつで、計48枚の札にプラスして、私の使用している「越後小花」では、鬼さん札(私が勝手にそう呼んでいる)が3枚と、天狗さん札(こちらも勝手に呼んでいます)が1枚入っています。「越後小花」は合計52枚で成り立っています。

以下、花札の1枚の中に描かれている絵の構成について説明します。

札には、それぞれの季節を代表する花(または植物)が一種類描かれています。これは月を通して4枚とも同じ花(または植物)です。これにプラスして、それぞれ4枚の1枚目には鳥や動物・その季節に特化するもの、2枚目には赤短冊・青短冊を中心としたもの、3.4枚目には花(または植物)だけだったり単語が暗号のように書かれていたりします。
(※1枚目2枚目という数え方は便宜上使用しています。)

これの組み合わせで基本の48枚が構成されています。

※地方札によって、この内容は違いが出ていますが、ここでは普段私が占いに使用している地方札で解説しています。

 

12ヶ月の花または植物の名前

1月 松
2月 梅
3月 桜
4月 藤
5月 菖蒲(しょうぶ、あやめ)
6月 牡丹
7月 萩
8月 芒(すすき)
9月 菊
10月 紅葉
11月 柳
12月 桐

 

札の絵柄(花・植物以外)

1月 1枚目/鶴と太陽、2枚目/赤短冊、3と4枚目/なし
2月 1枚目/鶯(うぐいす)、2枚目/赤短冊、3枚目/光るもの、4枚目/なし
※一般的な札は3と4枚目/なし
3月 1枚目/幕、2枚目/赤短冊、3と4枚目/なし
4月 1枚目/不如帰(ほととぎす)、2枚目/赤短冊、3と4枚目/なし
5月 1枚目/八つ橋、2枚目/赤短冊、3と4枚目/なし
6月 1枚目/蝶、2枚目/青短冊、3と4枚目/なし
7月 1枚目/猪、2枚目/赤短冊、3と4枚目/なし
8月 1枚目/月、2枚目/雁(かり)、3枚目/太陽(または月)、4枚目/なし
※一般的な札は3・4枚目/なし
9月 1枚目/盃、2枚目/青短冊、3・4枚目/単語
※一般的な札は3.4枚目/なし
10月 1枚目/鹿、2枚目/青短冊、3・4枚目/なし
11月 1枚目/小野道風と蛙、2枚目/燕(つばめ)、3枚目/赤短冊、4枚目/なし
12月 1枚目/鳳凰、2枚目/なし(一枚目と同じ配色)、3枚目/2枚目とは違った配色・、4枚目/なし

 

1ヶ月の札の4枚は同じ花(植物)が描かれてはいますが、他のアイテムが加わる事で、それぞれの札の個性の違いが出てくるようです。1.2枚目の札は華やかだったりにぎやかだったりするのですが、3.4枚目の札はどこか寂しい雰囲気を醸し出しています。

いずれにしても、日本の美しい四季がそのまま盛り込まれていることが確認できると思います。

 

 

なにせマイノリティです

 

花札は、日本の風土と庶民の生活・習慣に基づく札で、しかも第二次世界大戦の頃には花札占い師が普通にいたらしい、ということは上記で書きました。山陰山陽方面で、実際にご活躍されていたというお話しは伺っています。

ですが、すっかり忘れ去られてしまっています(15年前まで私も知りませんでした)。

 

花札と言えば、任侠・賭博のようなちょっとあちらの世界のイメージが大きいです。堅気の人が近寄るイメージではないのかもしれません。それでも、昭和の40年代くらいまでは、一般家庭でもトランプと同じ感覚で愛されてきた経緯もあります。古臭いものは淘汰されていくといった、仕方ないと言えば仕方ない状況なのでしょうか。

 

 

今だからこそ花札を楽しみたい!

 

現在の日本は、混沌(こんとん)としています。日本の文化は習慣としては退行してしまい、ただのお飾りの文化に変わりつつあります。
世界中が混沌としているその波に、すっかり飲み込まれてしまっていると思います。

それでも、日本は八百万の神様がいらっしゃる国です。
本物のユダヤ人のひとつの系統は、日本人になったとも言われています。
この日本独自の流れを持った花札での占いで、私たちの日々の悩みを解決し、より質の高い環境の中で魂を磨いてもらいたい…

それが私の「花札占い」の願いのひとつでもあります。

カード系の占い全般的に言えることですが、私は花札を占いとして読み解く時は特に、神様の領域に足を踏み入れる行為として、とても厳粛な気持ちになるのです。

以上、花札占いの世界への初めの一歩でした。

ありがとうございました。

 

 

花札占い:うめざわみき